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 手紙の基本構成
 
 はがきと手紙  
はがきと手紙(封書)は、内容と出す相手によって使い分けます。
はがきは略式で、正式には封書となりますので、目上の人に宛てる場合、改まった依頼、お詫びなどの重要な用件には、封書を用います。
年賀状や暑中見舞い状をはじめ、季節の挨拶状などは一般にはがきを用います。

構成と書き方 文例
前文 頭語 「拝啓」「謹啓」など 拝啓
時候の挨拶、安否伺い 時候の挨拶、先方の安否を尋ねる文・日頃の感謝を伝える文  おだやかな小春日和が続いております。ご家族の皆様にはますますご清祥のことと存じます。
主文 起こし言葉 「さて」「このたびは」など  このたびは、長女さくらへの七五三のお祝いをお送りくださいまして、まことに有難うございました。
 ご媒酌の労をお取りいただいて以来、葉書様にはさくらの成長の節々に一方ならぬご厚意を賜り、感謝の念に堪えません。
 おかげさまで、さくらも二歳半。
 女の子だというのに相変わらずやんちゃで、親の手を焼くこともしばしばありますが、晴れ着には節句のためにと伸ばした髪で結うことができました。
 お参りの時の写真をお送りします。
 娘より私の方が緊張しているように見えますが、お笑いにならないようお願い申し上げます。
本文 手紙の本題
末文 結びの言葉 今後の厚誼を願う文・先方の健康を祈る文、お礼やお詫びなど  この月末にも、直接お礼に上がりたいと思っております。ご都合をお返事いただければ幸いです。
 末筆ながら、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
結語 「敬具」「謹白」など 敬具
後付 日付   平成十六年十一月七日
署名 差出人姓名 鈴木一郎
宛て名 相手の姓名(正式には姓のみ)と敬称 葉書大介様
脇付 「侍史」「貴下」など
相手への敬意を表す
侍史



 横書きの例  
 

前文 [1] 頭語
[2] 時候の挨拶等
主文 [3] 起こし言葉
[4] 本文
末文 [5] 結びの言葉
[6] 結語
後付 [7] 日付
[8] 署名
[9] 宛て名

 
 頭語と結語  
 頭語(冒頭語、起首、起筆)は、手紙の切り出しで相手に対する敬意を表します。しめくくりに使用する結語と対になっており、組み合わせに決まりがあります。
年賀状や寒中見舞い、暑中見舞いや残暑見舞いなどの季節の挨拶には、頭語・結語は不要です。弔事の手紙、詫び状、抗議文にも、頭語・結語は用いません


頭語 結語
一般的な発信 拝啓 拝呈 啓上 一筆啓上
(一筆啓上申し上げます)
敬具 拝具 敬白
(かしこ)
一般的な返信 拝復 復啓 敬復
(お手紙ありがとうございます)
拝答 敬具 敬答
(かしこ)
丁重な発信 謹啓 謹呈 恭啓
(謹んで申し上げます)
謹白 謹言
(かしこ)
丁重な返信 謹復 謹答
(お手紙謹んで拝見いたしました)
謹言 敬答
(かしこ)
緊急の場合 急啓 急呈 急白
(とり急ぎ申し上げます)
草々 不一 不尽
(かしこ)
(返事を待たずに)
再信する場合
再啓 再呈
(重ねて申し上げます)
敬具 拝具
(かしこ)
前文を省略する場合 前略 冠省 冠略 略啓
(前略ごめんください)
草々 不一 不備
(かしこ)

 前文  
頭語に続けて、季節の移り変わりを手短かに表現します。「盛夏の候」のように、季節のキーワードに「候」や「みぎり」を付けたものや、「草木も暑さにぐったりしています」のように、口語調の表現があります。相手によって使い分けます。
時候の挨拶に続けて、相手の安否を気遣い、こちらの様子を述べます。お礼やお詫びの挨拶があるときは、この後に続けます。

 主文  
主文は手紙の本題、骨格となる部分です。一般に、「さて」「ところで」などの起こし言葉に続けて、用件を切り出す形で主文に入ります。
述べたい項目に優先順位を付けて、要領よくまとめます。句読点や段落分けで、読みやすくする配慮をしましょう。

 末文  
結びの言葉は、主文に合わせて書きます。
一般には、今後の指導や厚誼(こうぎ)を願い、先方の健康や繁栄を祈る文で締めくくりますが、お礼やお詫び、返事を求める場合もあります。
お礼の手紙であれば、「略儀ながら書中をもって御礼申し上げます」、返答をいただく場合には「お返事いただければ幸いです」などで結びます。
最後に、頭語に対する結語を忘れずに。

 後付(あとづけ)  
後付は、「いつ」「誰が」「誰宛てに」書いた手紙なのかをきちんと示すものです。
発信日は、あらたまった手紙には年、月、日を入れます。慶事などで「吉日」とすることもあります。
連名で署名する場合は、上位者が宛て名に近い方になるよう、下位の者から書きます。

 脇付(わきづけ)  
脇付は、相手に対するへりくだった気持ちと敬意を表すものです。
宛名の左下に、やや小さく書き添えます。
脇付の例
一般 貴下 机下
目上の人へ 侍史 尊前
父母へ 膝下 尊下

 主文  
主文は手紙の本題、骨格となる部分です。一般に、「さて」「ところで」などの起こし言葉に続けて、用件を切り出す形で主文に入ります。
述べたい項目に優先順位を付けて、要領よくまとめます。句読点や段落分けで、読みやすくする配慮をしましょう。

 添え文  
主文に補足したい場合は、「追伸」「追って」などを用い、添え文に書きます。本文よりも多少小さめに書きましょう。

 

 
 

 
 
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